JSIAM Online Magazine

学術会合報告

第17回環瀬戸内シンポジウム 実施報告

土屋 卓也



日本応用数理学会環瀬戸内応用数理研究部会の第17回シンポジウムが、2014年1月11日
(土)と12日(日)の両日、愛媛大学城北キャンパス総合情報メディアセンターにて開催され
ました。環瀬戸内応用数理研究部会(以下、環瀬戸内研究部会)は、基本的に年に1回、瀬戸内
に限らず日本各地でシンポジウムを開催して来ました。今回は、愛媛大学理工学研究科天野要先
生が、2014年3月でご退職されるということで、その記念も兼ねて愛媛大学で開催されるこ
とになりました。環瀬戸内研究部会の創設の経緯とこれまでの環瀬戸内シンポジウムについては、
JSIAM Online Magazineに紹介文がありますので、興味のある方はご覧ください。

http://jom.jsiam.org/3578

2日間のシンポジウムでしたが、一般講演が13件、オーガナイズドセッションが3件:

「HPCと可視化技術の現状と今後の展望」 講演2件,
「反復法の今と将来」 講演4件,
「医療・物理分野における計算法の今後の発展」 講演3件、

さらに特別講演2件と、たいへん充実したプログラムになりました。オーガナイズドセッション
の編成については、九州大学の藤野精次先生に大変お世話になりました。詳しいプログラムにつ
いては、

https://sites.google.com/a/comp.cs.ehime-u.ac.jp/kansetouchi

からのリンクをたどってください。プログラムをご覧になるとわかると思いますが、数値シミュ
レーション、可視化、応用医学、人工知能など、応用数理の様々な問題が幅広くカバーされてい
て、非常に充実した2日間でした。

もともと環瀬戸内研究部会の目的の一つは、大学院生に研究発表の場を与えるという事でした。
今回のプログラムでも、特別講演を除いた全公演数22件中、大学院生の発表が7件と、大学院
生の発表が多くなりました。最近は、修士論文の内容がほぼ出来上がる12月から1月に環瀬戸
内シンポジウムを開催しております。環瀬戸内シンポジウムでの発表は、修士論文審査の発表の
練習や、あるいは第三者の目で修論の内容をチェックするということにもなります。大学院生お
よび大学院生を指導する先生方も、次回の環瀬戸内シンポジウムへの参加を考えてみてください。
環瀬戸内研究部会は日本応用数理学会の"公式の"研究部会なので、当シンポジウムでの発表は、
大学院生が博士後期課程などに進学する場合の経歴にちゃんと記載できることを申し添えます。

本シンポジウムの特別講演は、

天野要(愛媛大学理工学研究科)
「代用電荷法による数値等角写像について」
Fumie Costen (University of Manchester)
「Acceleration of the FDTD computation for lung cancer detection」

の2件でした。

皆様ご存知の通り、天野先生は代用電荷法を用いた数値等角写像の研究で世界的に著名な方です。
また、2004年から2010年まで幹事として、環瀬戸内研究部会を支えてこられました。今
回の特別講演では、1980年代に愛媛大学に赴任されてからの先生のご研究の歴史について、
多くの方々との共同研究を含めて概観され、また最新の成果まで言及されました。

特別講演の2つ目は、オーガナイズドセッション「医療・物理分野における計算法の今後の発展」
における招待講演として企画されました。Costen先生は、長年イギリスで活躍されてきた日本人
の方で、今回は肺がんの診断について新しい数理的手法を提案するという野心的な話題でした。
Costen先生のご希望で、講演は英語で行われました。

11日(土)の夜には松山市内の中華料理レストラン(いよてつ会館 中華料理「北京」)にて、
懇親会が行われました。天野先生のご退職をお祝いして記念品の贈呈が行われ、また天野先生より
ご挨拶がありました。

これまで述べた通り、第17回環瀬戸内シンポジウムは「大成功」といってもいい盛会でしたが、
これも長年にわたる様々な方々のご努力があってのことだと思います。この場を借り、関係者全
ての皆様にお礼申し上げます。2014年度以降も、「応用数理のワクワク感を共有する場」と
して、環瀬戸内シンポジウムの開催を続けていきたいと思います。また、「当地で開催しません
か?」という方は是非ご連絡ください。会場の設定さえしていただけば、あとはこちらで運営い
たします。

(第17回シンポジウムの予稿集は若干残部があります。有料(1部1000円)でお分けしま
すので、ご希望の方は土屋までご連絡ください。)



つちや たくや
愛媛大学 理工学研究科
[Article: G1401D]
(Published Date: 2014/09/13)