JSIAM Online Magazine

学術会合報告

第1回 JST CREST「数学」領域横断若手合宿の報告

中野 直人



去る2014年1月31日から2月2日にかけて,第1回JST CREST「数学」領域横断若手合宿〜冬の学校@指宿〜が鹿児島県指宿市にある休暇村指宿において開催され成功裏に終わりました.これは JST「数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索」領域(研究総括:西浦廉政)における,CRESTチームの垣根を越えた相互交流を目的に企画されたものです.

参加者は「数学」領域のCREST 8チームから若手や自称若手(??)など総勢31名集まり,その専門は微分方程式,力学系,トポロジー,数値解析,流体力学,映像数学,非線形物理,統計解析などなど.これほど多彩な顔ぶれが「数学」をキーワードに一堂に会するのは滅多になく,本領域の魅力の一つでもあります.そのため,合宿形式のメリットである寝食を共にして語り合う環境を最大限に活かして,研究者間の横の繋がりを広げる契機となることを目指して企画されました.

本合宿での研究発表は,参加チーム単位によるチーム発表と参加者単位によるポスター発表の両輪からなっています.チーム発表は各チームの成果報告会という位置づけにはせず,流体,力学系,数値計算という3つのトピックにまつわる話なら何を発表しても良いことにした結果,チーム紹介も交えながら,それぞれのチームに関連する重要な問題について異分野の参加者にもわかりやすい説明がなされました.聴衆側からも専門家・非専門家にかかわらず頻繁に質問の手が挙がり,侃々諤々と議論が交わされました.また,チーム発表とは打って変わって個人研究の発表の場となったポスター発表では延べ3回のポスターセッションを設け,終始和やかな雰囲気のままざっくばらんに質問し合う光景が見られました.中にはPCを開いて追加資料を紹介する者,運べるサイズの実験機器を用意して参加者に見せる者,ホワイトボードを用いて議論する者などがおり,とても有意義な知識交流の時間でした.

参加者の高い問題意識と意欲により成功を収めたこの合宿ですが,その企画・運営は各チームの若手の有志による幹事団によって進められました.当領域において若手合宿は初の試みであり,手探りの状態からの出発でした.幹事団の結成は9月下旬,具体的に企画が動き出したのは10月初頭であり,開催場所の確保に東奔西走することもありましたが,幹事団の協力により無事開催に漕ぎ着けることができました.会場の休暇村指宿は景勝地としても有名な霧島錦江湾国立公園にあり,その落ち着いた環境は合宿にもってこいでした.また,合宿当日は幸い天候にも恵まれ,連日20度を超える温暖な環境では議論も弾み,合宿形式のメリットを最大限に引き出せる好環境でもありました.この合宿を「第1回〜」と銘打ったからには第2回の企画が期待されるところです.さらなる若手・異分野交流に弾みを付けられたらと思っています.

今回の若手合宿の開催にあたり多くの方々からご協力をいただきました.西浦廉政領域総括からはこのような機会をいただき,チームリーダーの諸先生方には本合宿の趣旨にご賛同いただきました.また,JSTの高見沢一彦主任調査員には企画・運営で多大なるご助力を賜りました.この場を借りて御礼申し上げます.

【運営幹事】
中野直人 東北大学(坂上チーム)(代表)
大林一平 京都大学(國府チーム)
荻田武史 東京女子大学(大石チーム)
小林康明 北海道大学(長山チーム)
斉木吉隆 一橋大学(坂上チーム)
林 邦好 岡山大学(水藤チーム)
廣瀬三平 株式会社オー・エル・エム・デジタル(安生チーム)



なかの なおと
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
[Article: G1401F]
(Published Date: 2014/05/10)