JSIAM Online Magazine

学術会合報告

「最適化:モデリングとアルゴリズム」の参加報告

山川 雄也



2014 年 3 月 25 日(火)~26 日(水)の二日間にわたり、政策研究大学院大学で開催された「最適化:モデリングとアルゴリズム」という研究集会に参加をした。この「最適化:モデリングとアルゴリズム」は、毎年3月に行われる研究集会であり、連続最適化や離散最適化など含め比較的広い範囲の研究発表を聞くことができる。今回の研究集会では、全13件の発表があり、一発表あたり45分間という比較的長めの発表を聞くことができた。その中でも、私が興味を持った発表をいくつか紹介したいと思う。

まず一つ目は、京都大学の花小琴さんによる「Iteration complexity of a block coordinate gradient descent method for convex optimization」という発表について紹介しよう。この発表では、ブロック近接勾配法に基づき解を求める際に必要な反復回数の上限を与えることを課題としており、今までにない新しい仮定を導入すれば、より良い精度の上限を与えられるという内容であった。この新しい仮定は目的関数に関する仮定であり、どの程度のクラスの関数に対して成り立つ仮定であるのかは今後の課題となっていたが、具体的にいくつかの関数で成り立つ例を挙げて紹介されていたのでより興味を持てた。

続いて、東京理科大学の五十嵐夢生さんによる「非線形最適化問題に対する主双対外点法について」という発表にも興味を持った。私が以前研究していた主双対内点法と関連するところもあり、比較的馴染みのある発表であった。特に、収束性の証明において私の知っている大域的収束の仮定よりも緩い条件で収束が証明できる点が印象に残っている。

最後に、政策研究大学院大学の土谷隆さんによる「半正定値計画問題に付随する線形空間の階層分解と弱実行不能問題の一般的構造について」という発表では、発表中に沢山の人が意見や考えを投げかけるゼミ形式のような発表となったことが 印象的であった。比較的小規模な研究集会であり、発言のしやすい小さな会場であったことも幸いしたのだと思う。さらに、私が半正定値計画問題の研究をしていることもあり、一層興味を持って聞けたという点でも有意義な時間であった。

また、一日目の研究集会の後には懇親会も開かれた。会場が六本木という都内の一等地であったため、近くに沢山の飲食店があり ほとんどの方が懇親会にも参加をされた。関西在住の私には、六本木に飲みに行く習慣などないのでとても貴重な体験であり、また関西以外の最適化関連の方々と親睦を深められたことはとても良い経験となった。

今後もこの研究集会がより一層発展していくことを期待したい。



やまかわ ゆうや
京都大学 大学院情報学研究科 数理工学専攻
[Article: G1404A]
(Published Date: 2014/07/20)