JSIAM Online Magazine

学術会合報告

ICIAM2015(7): ICIAM2015 参加報告

森倉 悠介



2015年8月10日から8月14日まで,中国・北京の北京国家会議センターにて,国際会議 ICIAM2015 (The 8th International Congress on Industrial and Applied Mathematics) が開催された.ICIAM は4年に一度開催される応用数理の世界規模の国際会議である.今回初めての参加ということで楽しみに北京へと向かった.
会場の北京国家会議センターはオリンピック時にも利用されていたので会議の規模への期待が高まった.会場の周りには,ショッピングセンターなどがあり中国国内からの観光客も見えており,思ったより賑やかな様子であった.また,北京市内は地下鉄が発達しており,移動が大変便利に感じた.しかし,地下鉄駅への入場の際に荷物チェックを行っており戸惑った.

写真1:ICIAM入り口(入り口で持ち物検査が行われる)

写真2:北京国家会議センター(少しもやがかかっている)

 

 

 

 

 

 

 

 

オープニングセレモニーでは3000人は入りそうな大会議場が参加者でいっぱいになっていた.セレモニー自体も煌びやかなダンスなど華やかな歓迎をうけた.また,特に驚いたのが副主席李源潮氏が挨拶を行ったことで,中国あげての誘致を行ったことがうかがわれた..その様子が現地のニュースで放送されているようで,公式ホームページ上からビデオが視聴できるためご確認頂きたい.今回は中国での開催のため,アジアからの参加者が目立った.日本からの参加者は3.55%であった.会場ではパラレルのセッションが67程度開催されていたため,目的の公演を求めて上へ下へと移動を行ったので少しの疲労感もあったが,大きな国際会議らしさを感じた.また,セッションの割り当てによっては狭い部屋広い部屋が混在し,セッション会場が立ち見でいっぱいになり扉が開かないということもあった.このように全体的な規模の大きさに圧倒されるばかりであった.
講演に関しても,世界中の研究者が講演を行われていたので大変興味深いものばかりでどこにお邪魔しようか終始迷いっぱなしであった.著名な研究者による受賞講演,招待講演はもちろん興味深いものであったが,個人的に特に印象に残ったのがフランスInria の研究者C.-P. Jeannerod 氏の"Recent results in rounding error analysis" であった.近年の浮動小数点演算における丸め誤差における解析についての講演であり,実際に講演を拝見するのは初めてであった.講演ではJ. H. Wilkinson 氏によるクラシカルな誤差評価から講演者らによる最新の誤差評価までを話されていた.特に,公演中,様々な誤差評価におけるクラシカルなもの,最新のものの比較を行った表が興味深く,近年の誤差評価の最新をまとめて知ることができた.本講演に関して特に個人的な思い出で恐縮ではあるが,博士課程の学生であった際に,Wilkinson 流の誤差解析に関して内積における新しいものができ論文になったのだが,その数ヶ月後にはC.-P. Jeannerod, S. M. Rump 両氏によって最良な誤差評価が提案され大変悔しい思いをしたのを今でも覚えている.
次回2019年度ICIAM2019 の開催はスペイン・ヴァレンシアにて,2019年7月15日〜19日に行われる.次回の会議も大変楽しみである.
最後に,この場を借りて今回の会議にてお世話になった皆様にお礼を述べたいと思う.滞在中に食事をご一緒させていただきました先生方・学生の皆さんには大変感謝いたします.また,帰国後,ICIAM 現地スタッフをされていた Chinese Academy of Science の先生・学生さんたちとジョイントセミナーにてお会いし,お礼をお伝えできたのが大変幸いでした.改めましてありがとうございました.そして,今後の日本でのICIAM 開催を強く祈っております.

写真3:各国の参加者の割合



もりくら ゆうすけ
早稲田大学 応用数理学科
[Article: G1509C]
(Published Date: 2015/12/18)