JSIAM Online Magazine

学術会合報告

2017年度応用数学合同研究集会 参加報告

野口 健太



2017年12月14日から16日に,龍谷大学瀬田キャンパスにおいて「2017年度応用数学合同研究集会」が行われたので,その参加報告を行います.この会は日本数学会の応用数学分科会が主催しておりまして,応用数学分野では年2回行われる日本数学会(年会・秋季総合分科会)に次ぐ規模の会となっています.この研究集会は会場が「解析系」と「離散系」に分かれており,私は離散系に参加しましたのでそちらの報告をいたします.私はこの研究集会に2011年から毎年参加しており,今年で7年目となります.私の知る限りではかなり長いこと龍谷大学が会場となっておりまして,会場を貸していただけるありがたさを感じるとともに,龍谷大学に来ることで年の瀬を感じるという年の節目の位置づけになっています.

私の専門はグラフ理論で,例年この会ではグラフ理論関係の講演が最も多いのですが,最近は発表内容の多様化が進んでいて良い傾向だと思います.とくに最近急速に増えてきた「量子ウォーク」関連の講演には目を見張るものがあります.

この研究集会に参加する一番の目的はもちろん発表を行いかつ情報収集を行うことですが,規模が大きいがゆえに普段合わない知り合いの研究者と会っての近況報告,および知り合いを増やすという目的もあります.私は離散系の講演者の7割くらいが知り合いでしたが,3日間でなるべく多くの参加者と話をするよう心掛けて,今年も知り合いを増やすことができました.

私は2日目の午後に「偶三角形分割におけるサイズの大きな二部的全域部分グラフ」という題目で講演をしました.小規模な研究集会と異なり,幅広い聴衆に対応するため,研究の導入の部分に時間を割きました.講演時間に関して言えば講演22分・質疑応答3分と他の研究集会と比較しても余裕があるのですが,(この研究集会に限ったことではないですが)講演時間を超えて講演する人も多く,あまりいただけません.もちろん守っている人も多くいるのですが,時間に余裕をもって発表してもらいたいものです.

話は変わりまして研究集会では朝昼だけではなく,夜も交流を図る良いチャンスがあります.1日目の夜には(研究集会主催ではないですが)懇親会が企画され,昨年から解析系と離散系が一緒になって行われています.お店の席の数を上回る人数が参加し,立ち飲みの人が多く出る中,夜遅くまで楽しんでいた人が多いようです.2日目の夜には研究集会主催の懇親会が龍谷大学内で行われました.こちらは毎年解析系と離散系合同で行われていまして,100人前後が参加する大規模なものです.立食形式で交流を図るのに素晴らしく,と言うのは簡単ですが実際は多くの人は解析系と離散系に分かれて島を作っており,まだまだ交流の余地があるように思います.とくに学生や若手の研究者には顔を売るチャンスですので,私を含め頑張って交流したいところです.

当研究集会では2013年から「応用数学研究奨励賞」という賞が創設され,それに伴って(とくに解析系で)応募の数が多くなる傾向にあります.私は幸いにも創設初年度に賞を頂いたのですが,業績にも励みにもなりとてもありがたく思っています.賞に伴って若手の講演が増える一方で,相変わらず講演者の年齢層は多岐にわたっており,今後もこの傾向が続くと良いと思っています.ただ講演数が多くなりすぎ,昨年と今年は解析系で講演をいくつか断っているそうです.またその影響で一昨年まで実施していた離散・解析合同セッション(招待講演)も廃止され,寂しい部分もあります.私自身2014年に合同セッションで講演をさせていただいたので,復活したら良いなと思うこともあります.

私も30歳を迎え,運営側の仕事に携わることが多くなってきています.運営側の仕事は大変であり,あまりに運営に時間がかかり研究がおろそかになっては本末転倒ですので,運営側にそれほど負担をかけない研究集会の存続が理想的です.その一環として今年から予稿集が紙媒体ではなくデータで配布されることとなり,印刷や製本の手間がなくなりとても良いことだと思います.今後は参加者側としても運営側としてもこの研究集会に携わり,会の発展を支える一人になってゆきたいと思います.



のぐち けんた
東京電機大学
[Article: G1801C]
(Published Date: 2018/03/09)