梅野健
第10回研究部会連合発表会は、応用カオス研究部会が幹事となり、2014年3月19日(水)-20日(木)、京都大学吉田キャンパスで行われた。全20研究部会の内、16の研究部会がセッションを組み、合計268名の参加者を得て盛況に終わった。ちょうど9年前に同じ場所で開催された第1回の研究部会連合発表会参加者数が122名であったので、研究部会連合発表会を10回重ねて2倍以上に成長したことになる。ここで、今回のイベントの特徴を2つピックアップする。
研究部会連合発表会優秀講演賞の創設と表彰
2013年度から、研究部会連合発表会優秀講演賞を設立し、優れた発表をした方を、「研究部会連合発表会優秀講演賞」受賞者として表彰することとなった。今回は、以下の6名からなる表彰選考委員会を発足した。
・連合発表会実行委員会代表 (2名)
梅野 健 (京都大学)
木村 欣司 先生 (京都大学)
・理事会表彰委員会委員 (4名)
岡本 久 先生 (京都大学)
櫻井 鉄也 先生 (筑波大学)
高橋 大輔 先生 (早稲田大学)
塚田 恭章 様 (NTT)
セッションをオーガナイズした16の研究部会の内、以下の8研究部会から推薦書が提出された。
・応用カオス
・応用可積分系
・科学技術計算と数値解析
・行列・固有値問題の解法とその応用
・数理的技法による情報セキュリティ
・数論アルゴリズムとその応用
・離散システム
・連続体力学の数理
表彰選考委員会及び理事会での慎重な審議の結果、2014年の研究部会連合発表会優秀講演賞は、以下の2名の講演者に授与されることとなり、2014年6月の総会で表彰された。
受賞者:
藤原宏志様(京都大学大学院情報学研究科複雑系科学専攻)
-連続体力学の数理―生体内での光拡散現象に対する数値的手法の比較
土屋翔一様(慶応義塾大学理工学部)
-離散システム― Halin graphのLovász・Plummer予想について
研究部会幹事数の上限撤廃の動き
1日目の3月19日に研究部会連絡会が行われ、2014年度の研究部会の活動計画が提出された。その内複数の研究部会から、研究部会の規約で定められる幹事の数(2名以上5名まで)を大幅に上回る計画が提出された。この上限は、研究部会スタート当初はともかく、制度から10年となる今、各研究部会の成長の足かせとなっては上限を規定するメリットがない。そこで来年度以降のことも考え、本年9月5日、政策研究大学院大学で行われた年会での研究部会連絡会にて、研究部会幹事の上限を5名維持するか、撤廃するか審議した結果, 参加した全研究部会の満場の一致のもと、上限を撤廃する規約の改定案を理事会にあげることとなった。これは、本学会の研究部会そのものが、研究部会制度が設立された当初と比較して学会とともに大きく成長していることを象徴する動きであると考える。
成長に合わせた研究部会及び研究部会連合発表会の今後の在り方(春の年会という位置づけに研究部会連合発表会を格上げするか、これまで通り参加しやすい形を目指すか?)は、全ての日本応用数理学会関係者に関わる問題である。今後も引き続き活発な議論が行われることを期待したい。
尚、次回研究部会連合発表会(2015年春)は、折紙工学研究部会(主査:萩原先生)が主催し、明治大学中野キャンパスで開催されることが決定している。
最後に、2013年度理事会、本実行委員会、大学関係者(学生アルバイト含む)等多くの方に多大なる協力があって初めて開催できたことに感謝し、あらためて、ここに, 謝意を表したい。
うめの けん
第10回研究部会連合発表会実行委員長・京都大学
[Article: I1404A]
(Published Date: 2014/10/31)