守本 晃
ウェーブレット研究部会は,ウェーブレットの理論・応用に関する研究の振興を目指し,研究発表・情報交換の場を提供するために, 2005 年 4 月から研究部会となり現在に至っている.アドバイザーが山田道夫(京都大学),主査が芦野隆一(大阪教育大学),幹事(50 音順)が,木下保(筑波大学)・藤田景子(富山大学)・ 萬代武史(大阪電気通信大学)・溝畑潔(同志社大学)・守本晃(大阪教育大学)である.また,JSIAM Letters の編集委員が木下・萬代・溝畑である.部会員が約 30 名で,ウェーブレット研究部会メーリングリストの登録者数が約 130 名である.前回の研究部会だより(2010年6月)以降の活動状況を簡単に述べる.
年会と研究部会連合発表会では,毎回 OS を企画し部会員に研究発表の場を提供するとともに,様々な研究者の方々に特別講演をお願いした.主な特別講演は,
・笠原順三(東京海洋大学)「地下構造のイメジングにおける地震波の信号処理とインバージョンの概要」2010年年会
・井川信子(流通経済大学)「40Hz聴性定常反応の加算法と離散定常ウェーブレット解析」2011年年会
・斎藤直樹(カリフォルニア大学)「グラフ・ラプラシアン固有値4の不思議」2012年連合発表会
・佐々木文夫(東京理科大学)「ブラインド信号源分離を用いたノイズに埋もれた信号の抽出と位置の特定」2012年年会
などである.
応用数理学会メーリングリストに案内を出している「ウェーブレット研究部会セミナー」は,ウェーブレットについて日頃興味をもっていることや疑問に思っていることなどを気軽に話し合うセミナーであり,内容は研究発表や論文紹介・チュートリアル,問題提起など様々である.ウェーブレット研究部会セミナーを年3回ほど開催している.2012年度の講演は,
・木下保(筑波大学)「無限回微分可能で指数的な減少度をもたないウェーブレットの限界について」2012年11月9日
・戸田浩(豊橋技術科学大学)「新しい離散ウェーブレット変換と新しい概念の連続ウェーブレット係数について」2012年11月12日
・Han Li(Ph.D)「Learning algorithm based on random projection」2013年1月11日
である.また,情報交換や研究打ち合わせを行うウェーブレットセミナーを月1,2回開いている.
工学系の研究者との交流と情報交換を目的として,文部科学省 数学・数理科学と諸科学・産業との連携研究ワークショップ「ウェーブレット理論と工学への応用」(大阪教育大学),「ウェーブレット解析とサンプリング理論」(RIMS共同研究)の後援を行っている.
部会員が研究発表・情報交換できる機会を増やすために,主査・幹事が国際会議で OS を提案したり協力している.最近,協力した国際会議と部会員の発表件数は,Information 2013 (OS:Applicable mathematics,4件発表) ,ISAAC 2013(OS : Wavelet theory and its related topics,4件発表) ,ICWAPR 2013(OS : Wavelet analysis, 4 件発表)である.
ウェーブレット研究部会のホームページは,http://webas.as.osakac.ac.jp/wavelet/ である.研究部会メーリングリストへは誰でも登録できるが,投稿は管理人を通す形となっている.
もりもと あきら
大阪教育大学 情報科学
[Article: I1306A]
(Published Date: 2013/09/24)