JSIAM Online Magazine

学術会合報告

ANZIAM2017参加報告

柳澤 優香, 小林 領



201725日から9日,南オーストラリアのアデレードにおいて第53ANZIAM Annual Conference (ANZIAM 2017)が開催されました.Australia New Zealand Industrial and Applied Mathematics (ANZIAM)はオーストラリア・ニュージーランドの応用数理学会に相当する学会で,今回はANZIAMJSIAMの交流を深める目的もあり,JSIAMからは約20名が参加しました.本記事において,学会の様子や我々の個人的な感想を記します.

ANZIAM 2017は,南オーストラリアのアデレード空港から南東に車で30分ほどのハーンドルフで開催されました.ハーンドルフは,19世紀初頭にドイツ系入植者によって開発された町で,近郊のアデレードやバロッサバレーなどと共にワインの産地として有名です.講演会場(図1)は,近郊の自然を楽しむための観光の拠点となっていて,たくさんの緑に囲まれたきれいな場所でした(図2).(ただし,ランチや買い物をする場所は,ほとんどありません.)初日のウェルカムパーティーはBBQが予定されていたので,とっても楽しみにしていたのですが,あいにく雨が降ったので,屋内のレストランでパーティーが開かれました.次回は天候に恵まれることを期待します.

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図1:ハーンドルフのコンベンションセンター

図3

図2: 会場の周りには動物がたくさんいました

さて,ANZIAM2017では,10件の招待講演と187件の講演がありました.参加者は300名ほど(内, 日本からの参加者は20名ほど)で,とにかく女性が多い!という印象を受けました.8時半から17時半まで,5つのセッションが並行して開かれ,活発な意見交換が行われました.また,セッション間に30分のTea Timeが設けられていました.講演時間は一人あたり20分(講演:15分,質疑応答:3分,交代時間:2分)で,セッション毎ではなく講演毎に頻繁に人が出入りしていたことが印象に残っています.時間の管理が非常に厳重で,例えば,少し早く講演が終わってしまった場合,すぐに次の講演を始めるのではなく,待ち時間を取って,講演の開始時間が他のセッションとずれないように調整していました.これは,講演毎に頻繁に人が入れ替わることに配慮したものなのだと思います.慣れなかったのは,残り時間を知らせる方法がベルではなく,座長からイエローカード(10分経過)やレッドカード(15分経過)が提示されることです.特に私のように英語に不慣れで話すことに一生懸命ですと(図 3),無言でカードを提示されても気づかないことがあるので,個人的には,ベルを使っていただければ,と思いました.今回,大半の参加者がANZIAM所属の方々の中,少人数の日本人参加者は浮いてしまうのではないかと個人的に少し心配をしていましたが,ANZIAMの方々は我々の発表にとても興味を持ってくださり,講演中はもちろん,講演が終わった後にも質問や意見などをくださいました.私の発表に興味を持ってくれた南オーストラリア大学の女性研究者の方には,連絡先も交換していただきました.ANZIAMの方々の講演は,産業や応用に関する研究が中心なので,精度保証付き数値計算はもちろん知られていませんし,特に私のように基礎的な数値線形代数の研究は珍しかったようです.また,ANZIAMの方々の講演を拝聴しましたが,こんな応用先もあるのかと驚くことも多々あり,大変興味深い講演がたくさんあり,勉強になりました.今後も積極的にANZIAMに参加し,交流を深めていきたいと感じました.

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図3: セッション会場(コテージを一棟使っています)

4日目のランチタイムに,JSIAMANZIAMがさらに積極的に交流を深めるための取り組みについて話し合うミーティングが設けられました.そこでお会いしたANZIAMの会長Mary Myerscough教授,Aust MS (Australian mathematical society)の会長Kate Smith-Mile教授は,明るくて素敵な女性でした.日本から用意したお土産(早稲田大学名誉教授である藪野先生がお書きになった,アデレードの風景を背景にした似顔絵)をお渡ししたところ,大変喜んでいらっしゃいました(図4).

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図4: 藪野先生の絵を囲んで記念撮影

引き続き,4日目の夕方からはバンケットに参加しました.ミニゴルフ場が併設されているお洒落なレストランでした(図5).一時間ほど立食で,その後にメイン料理を座って食べるという,日本人には馴染みがない形式で新鮮でした.料理もワインもとても美味しくて感動しました.バンケットの参加者は200名程度で,前述の通り女性が約半数で,とても華やかな印象でした.

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図5: JSIAMからの参加者を代表して大石先生が挨拶されました

以上,ANZIAMの年会に初めて参加しましたが,本当に楽しくて充実した5日間でした.最後に,ANZIAM初参加で戸惑っていた我々に対して親切にサポートしてくださったオークランド大学のHinke M Osinga 教授,Bernd Krauskopf教授に感謝の意を表したいと思います. ANZIAM2018はタスマニアで開催されます.(http://www.maths.utas.edu.au/anziam2018/).互いの年会への参加などを通じて,ANZIAMJSIAMの交流が深まることを願っています.



やなぎさわ ゆうか, こばやし りょう
早稲田大学 理工学研究所
[Article: G1703E]
(Published Date: 2017/04/19)