JSIAM Online Magazine

研究部会だより

「環瀬戸内応用数理研究部会」の活動状況

大江 貴司



環瀬戸内応用数理研究部会は、他の研究部会のように一つの研究分野の下に集まった部会ではなく、地域の研究者が集まって構成された部会です。主な活動として、毎年開催している「環瀬戸内応用数理研究部会シンポジウム」があります。本シンポジウムは参加する研究者はそれぞれ様々な研究部会に所属しているため、プログラムは応用数理の各研究部会のショールーム的な雰囲気があります。また、本シンポジウムはその成り立ちが若手、特に大学院生の研究発表の機会を提供することであったため、その傾向が現在にも反映され、大学院生(特に修士の学生)の踏み台の一つとして機能しています。

部会の成り立ちとこれまでの活動については2014年2月の土屋卓也氏による記事、および2018年10月の岡野大氏による記事に譲りますが、応用数理学会の中でも、比較的長い歴史を持つ研究部会となっています。歴代の主査は(以下、敬称略)仁木滉先生(岡山理科大学・1997年~2003年)、天野要先生(愛媛大学・2004年~2010年)、土屋卓也先生(愛媛大学2011年~2020年)で、2020年度の応用数理学会年会(愛媛大学)を持って、大江に引き継ぎました。この中で、土屋先生は、新たに「環瀬戸内ワークショップ」を不定期に開催し、活動の幅を広げています。また、谷口隆晴先生(神戸大学)、榊原航也先生(岡山理科大学)が今年度から幹事として加わり、部会の活動がより活発になることを期待しています。

さて、2020年度は新型コロナ禍の影響で、年会や研究部会連合発表会だけでなく、さまざまな部会の講演会やセミナーもオンラインでの実施を余儀なくされました。「環瀬戸内応用数理シンポジウム」も例外ではなく、実施形態については開催寸前まで頭を悩ませました。幸運にも、開催時期がいわゆる「第2波」と「第3波」の谷間(12月12日~13日)であったこと、またできる限り互いの顔を見ながら実施したいという要望もあったことから、オンラインと現地(岡山理科大学)での発表を交えた「ハイブリッド形式」で実施することができました。なお、対面で行われる研究集会に参加したいという要望の大きさは、講演は9件のうち6件が現地での講演、また27名の参加者のうち16名が現地参加であったことから伺うことができます。(プログラム等についてはhttps://sites.google.com/view/kanseto-jsiam-2020/ をご覧ください。)遠くからは、石村直之先生(中央大学)の現地参加もいただくことができ、有意義なシンポジウムとなりました。

実施に当たって苦労したのは、現地とオンラインの参加者をいかにシームレスにつなげるか、という点でした。そのため、距離に伴う音量の低下を補正するマイクの準備やビデオカメラの配置など、数々の配慮が必要になりました。これらの配慮の実現に当たっては、幹事の榊原航也先生が情報収集から備品の購入まで様々な面で活躍していただきました。今回のシンポジウムの成功はひとえに榊原先生の功績によるものです、この場を借りて感謝申し上げます。なお、今回の経験で「ハイブリッド形式」による実施は、現地開催とオンラインの両方の利点を得ることができることがわかりました。しかし、これは規模にもよると思われ、大規模の研究集会では難しいかもしれません。

最後になりましたが、本研究部会における「環瀬戸内」の定義は、瀬戸内海と連結したすべての海・河川の周りとしております。実際、これまで開催されたシンポジウムのリストをご覧いただければ、北は山形、南は沖縄までさまざまな会場で実施していることがおわかりになるかと思います。「環瀬戸内応用数理研究部会シンポジウム」は会場さえ手配していただければ、運営は部会の方で担当します。日本中、いや地球上のどこでも開催します!ぜひ、お気軽にご提案ください。



おおえ たかし
岡山理科大学理学部応用数学科
[Article: I2102A]
(Published Date: 2021/04/21)