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研究部会だより

「応用カオス」研究部会の紹介

奥富 秀俊



カオスという概念の誕生から基礎的な理論の確立,実際のカオス現象の発見等を経て,今日では様々な分野にカオス現象が存在することが知られています.そのダイナミクス/メカニズムを理解することはもとより,さらに,どのような応用が考えられるか? という興味が尽きません.応用カオス研究部会は,カオスの基礎(理論的,数理的側面)とその応用(実践的側面)について,既存の学問分野の壁に捉われない形の学術的な交流の場を作ることを主な目的として2006年4月1日に設立されました.今日においても,設立当初の意思が受け継がれており,たとえば下記(表1)の如く,実に様々な分野の研究者が集まる会となっています.お互いの研究について議論しあい,影響し合いながら,発展を続けている研究部会といえます. 

 

(表1).応用カオス研究部会の主要メンバの専門分野

●  力学系・非線形力学系の基礎理論分野
●  レーザーや電気・電子回路を扱う物理学の分野
●  携帯電話等の符号化に関する符号理論の分野
●  データの秘匿に関する暗号理論の分野
●  乱数の生成と評価に関する解析学や数理統計学の分野
●  ゾウリムシ等の生態,数理生物学の分野
●  心拍,脳波,等のバイタルデータ分析と生理学の分野
●  機械学習や複雑系ネットワークやに関する計算理論の分野
●  素体上のカオスを扱う,有限体,代数学との接点分野
●  エントロピー,情報理論との接点分野

 

応用カオス研究部会は,基本的に,年会(9月)と研究部会連合発表会(3月)を軸として活動しています.年会,連合発表会,共に,毎回約3~4セッションの発表枠をキープしています.応用カオス研究部会のメンバは甘いもの好きが多いことから,研究会後には必ずスイーツ会を開催して,パフェやケーキと共にカフェを楽しむことが習わしとなっています.スイーツ会には,他の研究部会の方も参加するなど,たいへんオープンな場となっています.このように,様々な分野の研究者の触れ合いから,新たなイノベーションが生まれるかもしれません.ぜひ顔出ししてみてください.

 

 



おくとみ ひでとし
東芝情報システム株式会社 技術マーケティング部
[Article: I1508A]
(Published Date: 2018/02/02)