廣瀬 三平
2021年9月5日から7日に日本応用数理学会2021年度年会を2020年度と同様にオンラインで実施しました。参加者の総数は575人、講演者数は289件とともに過去最高と非常に盛況であり、実施後のアンケート(https://annual2021.jsiam.org/8041)でも満足度の高いものでした。実行委員会を代表して改めてお礼申し上げます。
オンラインのシステムとしては口頭講演、ポスター講演はすべてZoomを用い、懇親会、そして議論などではSpatialChatとGatherを用いました。総合講演では、田中久美子先生に「自然言語の長相関」、松井充先生に「共通鍵暗号今昔物語」をご講演いただき、活発な質疑応答が行われる非常に盛況なものでした。また、今年度はポスター発表や若手優秀講演賞の選考も実施されるなど、2019年度以前の年会と同様の内容を実施することができました。参加報告(https://jom.jsiam.org/?article=G2107A)を松家敬介氏が執筆されておりますので、あわせてご一読いただければと思います。
この参加報告でも書かれてあるように、今回の年会は例年とは異なる点がありました。そこで以下では、年会の準備について簡単ではありますが報告しようかと思います。年会準備の活動がはじまったのは2021年1月でした。この時点では完全オンライン形式か、対面とオンラインのハイブリッド形式かは決まっていない状況での活動開始であり、実施方法が決まったのは緊急事態宣言中の5月のことでした。実行委員会は、石渡哲哉実行委員長をはじめ、井戸川知之氏、尾崎克久氏、竹内慎吾氏、中津智則氏、福田亜希子氏、および筆者の7名と例年よりも少人数のメンバーで構成され、齊藤宣一氏にもいろいろとアドバイスをいただきました。実行委員会での会議や業者との打ち合わせはメールだけでなく、ZoomやSlackを用いるなどオンラインのみであり、実行委員会として対面で集まったのは年会中のみでした。また、例年だとアルバイトの学生にも協力してもらっていましたが、今年度は学生に協力いただくということはありませんでした。
今年度の特徴的な点としてWebページだけでなく、オンライン会場を準備し、そこにほぼすべての情報を集めたことが挙げられます。オンライン会場などのシステムについては事務局業務全般を担当している国際文献社にお願いしました。実施後のアンケートでは、欲しい情報をすぐに見つけられる使いやすいシステムであると多くの意見があり、非常に好評でした。私も参加者として触ってみましたが、非常に使いやすかったと感じます。また、Zoomのオペレータ業務についても実行委員会ではなく、業務渡航センターにお願いしました。オンラインでのイベントでは想定していなかった問題がいろいろと起こることがありますが、これら業者の協力もあり、今回の年会は非常にスムーズに進めることができました。
以上で述べているように、今回の年会はすべて自前でやらずに業者に協力をお願いしました。これにより、例えば会員種別の確認やお金の管理がなくなるなどのメリットがありました。しかしながら、あらゆることが簡単になったというわけでなく、様々なことをすり合わせる必要が生じました。また、システムや実施方法を作りながらの準備であったために、負担があったのも事実です。ただ、一度経験した現在ではもう少しうまいやり方が考えられる部分もあり、デメリットは減らせると思われます。このように、今回の年会では例年とは異なる点がありますが、これらの経験は次回以降も役立つものであると考えられます。この経験は整理し、次回の実行委員会に引き継いでいきたいと思います。
ひろせ さんぺい
芝浦工業大学
[Article: G2112A]
(Published Date: 2022/02/10)